概要
いでよ、まおうよ――空白の進路希望調査票から一人の魔王が生まれるまで
進路希望調査票を白紙で出した女子高生・辰野真皇は、春休みの峠の茶屋であんころ餅を食べている最中に、暗闇から声を聞いた。
「いでよ、まおうよ」
気がつくと、激しい雨の降る戦場に尻餅をついていた。そばには、額にねじれた一本角を持つ男の死体。邪神の召喚を阻止するために乗り込んだ勇者たちは、代わりに現れた事情の分からない少女を保護する。
勇者たちは親切だった。温かい食事を与え、傷を癒し、王都へ連れていこうとする。だが旅を続けるうち、マオは彼らの親切と、この世界の「正しさ」を同じ場所に置けなくなっていく。
女神の加護を受ける者だけが「真正人」と呼ばれ、それ以外は所有されることさえ当然とされる世界。完璧な微笑みを浮かべ続ける魔術師の身体に残された痕跡を、マオは誰にも話せない。
空白の進路を持っ
「いでよ、まおうよ」
気がつくと、激しい雨の降る戦場に尻餅をついていた。そばには、額にねじれた一本角を持つ男の死体。邪神の召喚を阻止するために乗り込んだ勇者たちは、代わりに現れた事情の分からない少女を保護する。
勇者たちは親切だった。温かい食事を与え、傷を癒し、王都へ連れていこうとする。だが旅を続けるうち、マオは彼らの親切と、この世界の「正しさ」を同じ場所に置けなくなっていく。
女神の加護を受ける者だけが「真正人」と呼ばれ、それ以外は所有されることさえ当然とされる世界。完璧な微笑みを浮かべ続ける魔術師の身体に残された痕跡を、マオは誰にも話せない。
空白の進路を持っ
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