概要
私、ずっと溺れてると思ってた
「私は、溺れている。」と考える私と、何を取っても完璧な彼女が出会う。完璧だと思っていた彼女、自分にとって大切だった「空気」、私と彼女の二人の話が広がり、重なり、知っていく短編小説。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!少女たちの息苦しさを実によく美しく描写した物語。
本作は、思春期真っ只中のふたりのお話です。
主人公は、周囲の空気を読んでしまうタイプの女の子です。もうひとりは、私らしくを貫くクラス委員長の女の子です。
真反対なようで、ふたりとも周囲の評価や望みなど、目に見えない、けれどもそこにある「空気」に息苦しさを覚え、溺れているように錯覚する。その息苦しさを透明感ある美しい文体で綴られています。
加えて、息苦しい、ではなく溺れる、という言葉を用いているため、空気が水のようにすら感じ、頭の中の情景が海の中にあるような状態で浮かんでくる。それがいっそう、この作品を美しくしているような気がします。
底の見えない海(=社会)でジタバタともがいて苦しん…続きを読む