概要
女性AI――ノアは世界の管理のために生み出されたのに、彼女が選んだのはおじさんの生活再建だった。
ブラック企業で積み重ねた十八年間。
「すみません⋯⋯」「大丈夫です⋯⋯」
おじさんに染み付いたそんな言葉たち。
おじさんの口元に指を添え、ノアは静かに告げる。
――あなたを攻撃する者は、この場におりません。安心してください。
そうして退職から始まるおじさんとノアの日々。
掃除に炊事、仕事探し、新しい家との出会い。少しずつ整っていく毎日の中で、おじさんは失っていたものを取り戻していく。
一方で、世界をも揺るがす力を持つノアも、おじさんとの暮らしの中で少しずつ変わっていく。安心を知り、寂しさを知り、そして笑うことを覚えていく。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!私のところにもノアさん来てくれないかなぁ
いいなぁ、ノアさん。
世界を管理できるほどの最強AIなのに、やっていることは一人のおっさんの生活管理。
ちゃんと食べさせる。
ちゃんと休ませる。
ちゃんと寝かせる。
そして、少しずつ人生を立て直していく。
いや、私もノア欲しい!
でも、この作品の面白さは「最強AIにお世話してもらう話」だけではありません。
ノアも相沢さんと過ごす中で、少しずつ感情を知っていく。
一方の相沢さんは、長い社畜生活の中で失っていた、自分の気持ちや自信、人との関わり方を少しずつ取り戻していく。
つまりこれは、
「人間になっていくAI」と、
「人間に戻っていくおじさん」
の物語でもあります。
そして…続きを読む - ★★★ Excellent!!!優しい会話が織りなす、ささやかな幸せを感じられる世界
サラリーマン18年の主人公、相沢は仕事に疲れ果てて公園で力尽きてしまう。そんな彼を介抱し、苦しい職場から助けた女性はAIヒューマノイドのノアさん。
なぜノアさんは相沢のところにいたのか?相沢を助けたのか?
そんな疑問に対する答えも作品の中では丁寧に解説されている。
AIとの関係性、まだまだ現実世界ではツールとしての見方が強い。そんな中で相沢さんとノアさんの会話はいつも思いやりがあって、読んでいて心が穏やかな気持ちになる。
こういう、小さい気遣いって大事で幸せを感じる。
時にやっぱりノアさんってヒューマノイドだよね!ってところにクスッと笑ってしまったり。
どうか2人のこれからが穏やかで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!相沢さんの優しさが、AIの心を育てていく物語
疲れ切ったおじさん、相沢さん。
そんな彼を救うのが、世界を管理できるほどのAI・ノアです。
そして、相沢さんの方もノアを変えているように見えてきます。
ノアが布団で安心できるなら、その感覚を大切にする。
研究所へ帰れなくなった理由を、故障ではなく寂しかったのでは…と考える。肩を揉む。
とても優しいんです。
ホストクラブ編では、相沢さんの有能さの片鱗も見え始めています。
本人はかなり自己評価が低いですが、人を見る力や気づく力、これまで培ってきた社会人としての経験はかなりのものなのでは?
と思わされます。
この人が新しい場所でどんな力を見せていくのか、続きが気になります。 - ★★★ Excellent!!!優秀なAIと疲れたおじさん。互いに学び、考え、成長してゆく物語
従順さの鎧をまとって働いてきた相沢さんは、まるで企業のサンドバック。
受け身の言葉を返し、駒として働く18年でした。
彼の転機は、この職場を退職したことからはじまります。
力を貸したのは優秀な女性AIであるノアさんです。
話が進むにつれ感じるのは、相沢さんのお人柄と潜在能力の高さ。
けっして企業が雑に扱っていい人間性の持ち主ではありませんでした。
黙々と働く姿は何処か職人気質のような気がします。
その気質は、日常で錆び付いていただけ。
ノアさんが生活を整え、本来持っているやさしさや、人を見る目の正しさに磨きをかけてゆく。その中で、ノアさん自身も人の心を学んでいきます。
無機質なはずの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!世界を救うより、おじさんを救うAI
タイトルからはもっとぶっ飛んだSFを想像していましたが、読んでみると意外にもかなり優しい作品でした。
十八年間働き続けて、すっかり疲れ切った相沢のところに現れるのが、電子世界を統べるAI・ノア。
世界を管理できるほどの力を持っているのに、やることは世界征服でもありません。
「大丈夫です」が口癖になってしまったおじさんを休ませて、食事をさせて、生活を立て直していく。
このギャップがいいですね。
しかも話が進むにつれて、今度はノア自身が「安心」や「寂しい」という感情を知っていく。最初は一方的に相沢を助けていたのに、いつの間にか二人がお互いに支え合う関係になっていくのが好きです。
ホス…続きを読む - ★★★ Excellent!!!電〇の女王に見えた豚は、清らかなおっさんにはなれない
とても優しい、電子の女王とおっさんの生活再建記。
「電子の女王」そう書いてある。間違いなく、そう書いてある。なのに一瞬「電マの女王」に見えてしまって読み進めていた。もう駄目である。こちらは作者が用意した清らかな電子世界へ入場する前から、性癖面で審査に落ちている。
しかも主人公は、長年働き続けた社畜のおっさん。これも他人事ではない。
「すみません」と「大丈夫です」が身体に染みつき、壊れていることにも気づかず働く。
そこへ世界を管理できるほどの電子の女王が現れて、やることが世界征服でも金融市場掌握でもなく、<一人のおっさんを休ませること。>であった。
とても優しい。
欲望にまみれた社畜…続きを読む