概要
男爵令嬢ヨハンナの仕事は、夜だった。
三十二の寝台を一晩に四度歩き、呼吸と脈を聴いて、悪化の兆しを朝が来る前に拾う。そして翌朝の手当の順を決める。誰を先に、誰を後に。
昼のあいだ、兵はみな「大丈夫だ」と言う。だが夜になると、呼吸のほうが先に白状する。
戦功を焦る若き将軍レオポルドは、その順を「情のない選別」と呼んだ。功のある兵を先に治せば戦果が上がる——采配は軍が握り、ヨハンナは夜番の帳ごと病棟を追われる。
二月後。王都の傷病棟では、助かるはずの兵から先に死んでいった。
そして遺族が中庭に集まった日、軍書記は一冊の帳を読み上げることになる。
彼女が「後に」した兵の名の、その欄外に何が書かれていたのかを。
三十二の寝台を一晩に四度歩き、呼吸と脈を聴いて、悪化の兆しを朝が来る前に拾う。そして翌朝の手当の順を決める。誰を先に、誰を後に。
昼のあいだ、兵はみな「大丈夫だ」と言う。だが夜になると、呼吸のほうが先に白状する。
戦功を焦る若き将軍レオポルドは、その順を「情のない選別」と呼んだ。功のある兵を先に治せば戦果が上がる——采配は軍が握り、ヨハンナは夜番の帳ごと病棟を追われる。
二月後。王都の傷病棟では、助かるはずの兵から先に死んでいった。
そして遺族が中庭に集まった日、軍書記は一冊の帳を読み上げることになる。
彼女が「後に」した兵の名の、その欄外に何が書かれていたのかを。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?