概要
国が消した名前を、少女たちは海の底から刻み直す。
石に死者の名を刻む、王立石工院の見習いサリナ。七年前、彼女の故郷セルカ島は海に沈み、母も命を落とした。だが王国が作った慰霊石板には、なぜか母の名前だけが刻まれていなかった。そんなサリナに、十日後に沈むと予告されたトゥラ島へ赴く命令が下る。同行するのは、沈んだ島の記憶を受け取る〈潮読み姫〉に選ばれた第二王女ミレアだった。島に到着した二人を待っていたのは、王国の名簿に存在しない大勢の島民たち。「生きているうちには数えなかったくせに、死んでから国民にするのかい」その言葉を受け、サリナとミレアは、名簿からこぼれ落ちた人々の名前を一人ずつ記録し始める。やがて海底に沈みかけた古い神殿で、削り取られた碑文と、サリナの母が残した石片を発見する。島は本当に、自然に沈んでいるのか。消された名前を石に刻む少女と、
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