概要
土日は会えない。
年末年始も、大型連休も一緒には過ごせない。
家に招かれたこともなければ、結婚の話をしたこともない。
それでも真由は、それを不自然だとは思わなかった。
けれどある日、職場の同僚から告げられた「――藤崎係長が結婚していること、本当に知らなかったの?」という一言をきっかけに、当たり前だと思っていた日々は少しずつ揺らぎ始め、これまで信じてきた記憶や言葉を、一つひとつ見つめ直さなければならなくなる。
愛していた相手は、本当はどんな人だった
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!恋は熱を伴う眼病。希薄な社会性が病状を悪化させる
人間関係の構築にあまり積極的でない女が年上上司に恋をしてしまった。上司は既婚者であることを隠して女主人公に近づき、恋愛不慣れな彼女の心を巧みに掌握する。
最も優れた支配の形は、支配されていることを気づかせぬ支配です。彼女は上司が既婚者であることを見抜けず、五年の時が過ぎた。
小さな出来事の積み重ねが長い導火線となり、ある事件をきっかけに大爆発、彼女は自分の恋の真の姿を見ることになります。
この女主人公(梶原さん)の心中が微に入り細に入り丁寧に描かれており、主人公がどこへ行くのだろうとハラハラしながら読みました。
このレビューの時点ではまだ完結していません。結構クライマックスに近いんじ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!知らなかった恋が壊す、記憶と真実の境界線
五年間信じ続けてきた恋が、同僚の一言で静かに崩れ始める――
その瞬間から物語は真由の内面へ深く潜っていく。
土日も会えない、家に招かれない、結婚の話も出ない。
それでも「不自然だ」と思わなかった彼女の心のあり方が丁寧に描かれ、読者は彼女の“錯認”がどのように形づくられたのかを自然と追いかけることになる。
不倫そのものを責めるのではなく、「信じること」と「知らなかったこと」の危うさに焦点を当てている点が本作の魅力。
藤崎の言葉や態度を一つずつ見つめ直す過程は痛々しくも静かで、真由が自分自身の記憶と向き合う姿が胸に迫る。
愛の盲点と、信じる心の脆さを繊細に描いた恋愛文芸。 - ★★★ Excellent!!!信じぬくことと疑念をスルーすることは違うのか?純愛がハリボテに変わる時
純愛を調べてみると概ね「見返りを求めず、損得や邪念を一切持たずに1つの相手を直向きに愛する純粋な愛情」とあります。彼女が彼に向ける愛はまさにこれでした。ただ彼女の非は相手を盲信しすぎたことです。彼が意図的か知りませんが1つの真実を伏せていたために。
22歳で入社してから細やかに面倒をみてもらい意識していた8歳年上の彼を入社1年目の忘年会で彼に落ちて交際が開始し金曜午後に彼がヒロインの家を訪れ一泊するといったスタイルで交際が続きます。土日は母親の面倒をみるため会えない、年末年始は会えないなど彼の事情を理解しながら穏やかな交際を続けていたヒロインに上司からの「彼は既婚者だ」の言葉を受けてか…続きを読む