先の見えない雨が、地面に跳ねる。飛沫と一緒に、彼の声が届く。いつもの軽口も、照れたような笑い方も、たしかに現実だった。やまない雨があればいい。本当に、そう思った。雨の向こうに、彼はいた。あの時、彼は確かにそこにいた。
フィクションだと思いたい。フィクションなはず。でもきっと、夕立の向こうに面影を追う人は居たと思うと、今の平和が身に染みます。素晴らしい掌編です。
もっと見る