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概要
その音が、息子に届くまで二十年。
二軍捕手として十年。華やかな一軍とは無縁の潮風の球場で、若手投手の「壁」として生きてきた佐藤健司、三十五歳。戦力外通告を受けた彼は、コーチ就任を断り、台湾・アメリカへと海を渡る。家族を失い、膝を壊しながらも、異国で投手を蘇らせ続けた男が最後に辿り着いたのは、ブルペン捕手という原点だった。そして二月の沖縄。背番号118の育成新人が放った一球が、俺のミットを鳴らした瞬間——すべてが繋がった。
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