概要
『どうか、私を忘れないで』——灯番の少女と、記憶を喰う騎士の最後の夜が
『どうか、私を忘れないで』——灯番の少女と、記憶を喰う騎士の最後の夜が始まる。大陸北端、雪に閉ざされた街道に建つ〈古代旅籠ホロベリィ〉。亡き祖母から旅籠を継いだ十八歳のミラは、訪れる客に湯と灯を捧げる日々を送っていた。ある吹雪の夜、剣の柄しか覚えていないと告げる漆黒の騎士ハイルが転がり込む。彼の身に巣食う『忘却の呪い』は、夜明けごとに記憶を喰い、いずれ自我ごと奪うという。ミラは祖母の手記を頼りに禁じられた『古代の湯』を焚き直し、一夜ぶんずつ彼の記憶を引き止める賭けに出る。だが旅籠の灯が燃え続ける限り、彼を狙う教団もまた、必ず辿り着いてしまう——。
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