概要
異能が世界に芽吹いて十二年。社会は《鑑定ランク》で人間を仕分けている。S級は特権。《無》は、人間として勘定に入れてもらえない。
黒瀬朔は、三度受けた鑑定で、三度《無》と弾き出された。
倉庫の仕分けパートすら「D以上」の一行に弾かれる。腹が空く。未来がない。それでも朔には、誰にも言えない確信があった。
──何かが、ある。俺の中に。
鑑定器が読み取れないだけで、機械に視えないだけで、確かに在る。
気づいたのは、S級の男が俺の胸ぐらを掴んだ瞬間だった。
指先から、流れ込んでくる。太くて傲慢な、熱い濁流。
《喰》。触れた相手の異能を奪い、自分が行使する──制度のどこにも書かれていない、システムそのものへの干渉。鑑定器が《無》としか読めないのは、固有の波長を持たず、触れた相手の波長をその
黒瀬朔は、三度受けた鑑定で、三度《無》と弾き出された。
倉庫の仕分けパートすら「D以上」の一行に弾かれる。腹が空く。未来がない。それでも朔には、誰にも言えない確信があった。
──何かが、ある。俺の中に。
鑑定器が読み取れないだけで、機械に視えないだけで、確かに在る。
気づいたのは、S級の男が俺の胸ぐらを掴んだ瞬間だった。
指先から、流れ込んでくる。太くて傲慢な、熱い濁流。
《喰》。触れた相手の異能を奪い、自分が行使する──制度のどこにも書かれていない、システムそのものへの干渉。鑑定器が《無》としか読めないのは、固有の波長を持たず、触れた相手の波長をその
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