新作
焼け落ちて建て替われどもなお鎮座する城跡にまた春が来る
最寄駅から散らばって各々の光を点けにゆく夜の帰路
天国に君の居場所はきっとある宇宙はずっと膨らんでいる
きゅんむりと小指を握られた朝に私はあの子の姉になった
誰しもが熱伝導のテレパスになったみたいな満員電車
生温い空気を呑んで脳にまで保湿クリーム塗ったくられた
蜂蜜を溶いて緩まるペシミズム夜更けのインスタントコーヒー
独り立ち一夜目につき段ボール箱の机にチューハイの缶
弁当にレタスを敷いてばかりいるトートロジーな自炊十日目
第2回カクヨム短歌賞1首部門応募作品 白里りこ @Tomaten
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