第2回カクヨム短歌賞1首部門応募作品
白里りこ
過去作
雪雲を列車がビュンと追い越して終着駅はまだ晴れている
新しいノートみたいに美しく保つ意志だけあった部屋です
グーグルを見つつグルグル迷子です カシミヤのマフラーに泡雪
腹いせに帰らなかった春宵の明けゆく空はとても広くて
清流をゆく花筏 悠久の宇宙で君と寄り添えたこと
死してなお想いが夜に残るなら君は遥かな星影のよう
老犬に毛布をふわり掛ける小夜せめて夢路は自在に駆けて
ショートする脳内回路いま君が見せた笑顔は春のかみなり
草の実を啄む鳥が怯えないよう半月の形に歩く
指揮棒が空気を叩く寸前のホールを満たすクリアな無音
雲が去り樹上の雫が遅れて降る舗装路を自転車で行く
シーグラス越しに見通す世界なら悪意も磨耗して見えるかな
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