概要
殺すべき相手は、鏡の中にいた。救済のメスが、自分を切り刻む。
北欧・スウェーデンのストックホルム。完璧な技術を持つ外科医・名取は、ある日、自らの記憶の欠落と、身に覚えのない痕跡に翻弄され始める。群島で発見された身元不明の遺体、街を蝕む「名前を捨てる」という奇妙な感染症。追う者と追われる者が鏡合わせのように反転していく中、名取は自身の過去に潜む「救うべきではなかった命」という深淵と対峙する。湊マチが紡ぐ、自己解離と喪失の心理サスペンス。怪物を生んだのは、社会か、それとも鏡の中の自分自身か。物語の結末を審判するのは、この本を閉じた、あなたである。
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