元・始末屋の老剣客が今は孤独死現場の清掃員この一行だけで、すでに世界観の密度が違う。
かつて人を斬るために研いだ感覚を、今度はデジタル社会の「汚物」に向ける神山という人物造形が秀逸だ。数百万人のフォロワーを持つインフルエンサーの少女が持ち込む依頼も、単純な「死」の話ではなく、現代における「偶像の幕引き」という問いへと深化していく。
遺品に残された乾麺の配置、不可解な数字、死者への「いいね」細部の違和感の積み重ねが最後に一点へ収束するとき、「清掃されていたのは誰か」という問いが鋭く反転する。全6話・7千字で完結しているのに、読後の余韻は長い。「再読必至」というキャッチコピーに偽りなし。