概要
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!季節の目覚めに、心がそっと追いついていく
春の雨、濡れた土、ほどけていく空気、窓から届く風。
この詩集には、春が訪れるときの匂いや湿度、光の揺らぎまで、指先で触れられそうなほど繊細に描かれています。
けれど、ここで目覚めていくのは、季節だけではないように感じました。
失ったものを無理に取り戻そうとはせず、痛みや迷いを抱えたまま、それでも少しずつ日常へ帰っていく心。
「止まってもいいと 知っている」
その言葉に、前へ進むことだけが希望なのではなく、自分の呼吸を取り戻すこともまた、新しい始まりなのだと思いました。
読み終えたあとに残るのは、眩しいほどの希望ではなく、雨上がりの空気に触れたときのような、静かで柔らかな明るさです…続きを読む