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春覚め

春覚め

小川ハリ

おすすめレビュー

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★★★
★6
2人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 銀猫
    408件の
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    ★★★ Excellent!!!

    季節の目覚めに、心がそっと追いついていく

    春の雨、濡れた土、ほどけていく空気、窓から届く風。

    この詩集には、春が訪れるときの匂いや湿度、光の揺らぎまで、指先で触れられそうなほど繊細に描かれています。

    けれど、ここで目覚めていくのは、季節だけではないように感じました。

    失ったものを無理に取り戻そうとはせず、痛みや迷いを抱えたまま、それでも少しずつ日常へ帰っていく心。

    「止まってもいいと 知っている」

    その言葉に、前へ進むことだけが希望なのではなく、自分の呼吸を取り戻すこともまた、新しい始まりなのだと思いました。

    読み終えたあとに残るのは、眩しいほどの希望ではなく、雨上がりの空気に触れたときのような、静かで柔らかな明るさです。

    いつもの景色の色や風の匂いに、少しだけ耳を澄ませてみたくなる。

    そんな穏やかな余韻とともに、明日の朝には小さな「良い」が落ちているかもしれないと、そっと信じたくなる詩集でした。

    • 2026年7月26日 12:46