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概要
終わらない感じが、欲しかった。
国立大学教育学部三年、工藤菜月、二十一歳。
弘前ゴート珈琲でアルバイトをしながら、来年の教育実習を待っている。国立だから。実家から通えるから。親が安心したから。自分の選択には、いつもそのくらいの理由しかなかった。
春休みに東京へ行った。スクランブル交差点を歩いていたら、自分が別の人間になった気がした。吉祥寺で、弘前と同じ山羊のマークを見つけた。少し安心して、少し失望した。
閉店後の店で、菜月はAIに打ち込む。「東京へ出たいんですが、何から考えればいいですか」。AIは丁寧に答える。就職か、引っ越しか、どんな仕事をしたいか。言葉は整っていく。でも、整うたびに、自分が言いたかったことから少しずれていく。
終わらない感じが欲しい。
その言葉だけが、うまく整理できないまま残った。AIも、答えなかった。
弘前ゴート珈琲でアルバイトをしながら、来年の教育実習を待っている。国立だから。実家から通えるから。親が安心したから。自分の選択には、いつもそのくらいの理由しかなかった。
春休みに東京へ行った。スクランブル交差点を歩いていたら、自分が別の人間になった気がした。吉祥寺で、弘前と同じ山羊のマークを見つけた。少し安心して、少し失望した。
閉店後の店で、菜月はAIに打ち込む。「東京へ出たいんですが、何から考えればいいですか」。AIは丁寧に答える。就職か、引っ越しか、どんな仕事をしたいか。言葉は整っていく。でも、整うたびに、自分が言いたかったことから少しずれていく。
終わらない感じが欲しい。
その言葉だけが、うまく整理できないまま残った。AIも、答えなかった。
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