学校帰りに本屋へ寄る、ただそれだけの話です。それなのに、読んでいる間ずっと何かが引っ張るように先へ読ませてくれます。語り手の「僕」が本に寄せる思いのかたちが、小さな本屋のなかで静かにほぐれていく。最初と最後に似た言葉が置かれていて、でも同じには読めない。そのわずかなずれが、読後にしばらく残ります。余韻のある短編が好きな人に、読んで欲しいです。
もっと見る