概要
濡れているほうが、都合がいい。
雨が続いた四月下旬。憂鬱な気持ちで傘を差して歩いていると……バス停の横、ずぶ濡れの君と出会った。
差し出した傘は誰のため? 君のため? 僕のため? そう、誰のためでも無かった。
差し出した傘は誰のため? 君のため? 僕のため? そう、誰のためでも無かった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!優しさのふりをした本音が、雨音に滲むとき
静かな雨音の向こう側で、人の本音がそっと顔を出す……そんな一編です。
舞台は、ただの雨の日のバス停。けれど、この作品が描いているのは「優しさとは何か」という、ありふれているようでいて実は厄介なテーマです。
主人公は一見親切に見える行動を取りますが、その動機は決して綺麗なものではありません。このズレがとてもリアルで、思わずドキッとさせられます。
特に印象的なのは、会話の温度感です。必要以上に説明しないからこそ、行間に漂う感情や距離の変化がじわじわと伝わってきます。
読み進めるうちに、「この二人、どこか似ているのでは?」と気づく瞬間があり、そこから一気に引き込まれました。
派手な展開はあ…続きを読む