「見えるようになること」が情報過多と幻滅の始まり――私も頭が疲れた時は「デジタルデトックス」のようなことをやりますが、仕事にせよ、プライベートにせよ、いずれは情報の海に戻ってくる。そしてまた幻滅してくたくたになる。彼の苦悩は、現実の我々の苦悩を何十倍にも濃縮したような苦悩だと想像すると、胸が引き裂かれる思いになります。「僕自身が汚れなのだろう」この独白も共感しか呼ばない。我々の居場所ってどこなんでしょうね――としんみりする読後感の作品でした。
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