潔癖症という言葉でひとくくりにできない、生きづらさの密度に引き込まれました。朝の支度、掃除、シャワー、排泄――誰にとっても当たり前の行為が、この作品ではひとつひとつ苦痛と恐怖に変わっていく。その描写があまりに丁寧で、読んでいるこちらまで息が詰まります。重い題材なのに、ふと挟まる一人ツッコミが乾いた笑いとして機能していて、ただ暗いだけでは終わらないのも良いです。主人公の抱える歪みと痛み、その先にある「邪神の子」という題の意味が気になって、続きを読まずにいられません。
これほど「生理的嫌悪感」と「カタルシス」を同時に味わえる導入があるでしょうか。生きることそのものを「汚れ」と感じる主人公の狂気が、邪神との契約を経て「無菌の無敵体質」へと昇華される。異世界転生という王道ジャンルに全く新しい視点と衝撃を与える一作です。
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