言葉より先に、空気が触れてくる物語

まだ序盤までしか読めていませんが、
文章に触れた瞬間に「これは最後まで読みたい」と思わされました。

風の強さ、空気の湿度、音の遠近――
情景が“見える”というより、
呼吸のリズムごと伝わってくるような描写がとても印象的です。

登場人物たちの感情も、大きく語られず、
沈黙や間、視線の揺れとして滲んでくる。
その書き方が、舞台である「沈黙の海」と強く呼応していて、
ブロマンスという枠を越えた、人と人の距離の物語として惹き込まれました。

まだ物語は動き始めたばかりですが、
この空気感のまま深く潜っていく先を、
静かに見届けたいと思います。

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