夜の持つ暗闇の力は、確かに口を開けた化物のようだ。歩道橋に惹かれる理由が、二人には合った。ただ震えて、無力さを噛み締めて、一緒にいる。その須臾から永遠へ。溺れて呑まれた。
書き出しから、作品に呑み込まれる。感受性の沸り、痛々しいほどのふたりの純粋さ、全てがラストシーンへ、鮮やかに収束していく。 呼吸も忘れるほど、冬の夜の冷たい空気が、肌に残るかのような読後感。「私を、君の────」という台詞が、離れない。これを余韻と云うことを知る。
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