透き通った邪悪

元刑事が犯した凶行。以前の同僚たちに取調を受けながら、頑なに口を閉ざす。
手錠を嵌められた彼とすれ違うは、純真さを残した人間。自由を謳歌し、無垢な少年の如く振る舞う。
その凶器の名は、愛情、思慕、親愛。どうとでも呼べるだろう。
何にせよ、真犯人を告げる証拠は、ただの一つもない。