硝子の微笑

みぃ

凍えるマボロシ








硝子の微笑

透き通る頬に

凍りついた吐息

きみは微笑む

音もなく、ただ

そこには誰も近づけない

触れれば砕け散る

薄い空気の隔たり

傷つけることを恐れ

傷つくことを知る


その唇は歌を忘れたのか

言葉を飲み込み

沈黙だけを語る

けれど僕は知っている

その瞳の奥で

千の星が燃えていることを

君の微笑みは

砕け散った光の粒

それでも僕は

その欠片を拾い集める

きみの本当の涙を

見ることはないだろう

硝子の中で永遠に

凍え続ける

美しい幻

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硝子の微笑 みぃ @miwa-masa

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