大好きな彼と、忍び寄る見えざる敵。深まる謎と募る想いの結末が気になる!

恋心とミステリー。この二つの要素が柱となり、読みだすと目が離せない本作。

主人公のエメくんは、同室のランダルくんに密かな恋心を寄せています。そんな彼を執拗に追い詰める正体不明のストーカー。恐怖に震えるエメくんを守るため、ランダルくんが提案したのは、なんと恋人のふり! この胸キュンな展開に、読み始めてすぐに心を掴まれます。
しかし、舞台は魔法学校。そこには魅力的な呪文が響く日常だけでなく、厄介な「闇魔法」の存在がありました。友人・ギーくんが発見した闇の魔道書に、二人は翻弄されることになります。

私が特に好きなのは、二人の関係性が物語の進展とともに鮮やかに変化していく点です。 秘めた片思いから、偽りの恋人関係へ。そして、闇魔法によってランダルくんの心が強制的に引き離されてしまう、あの苦しすぎる展開……。二人の関係の緩急に、最後までハラハラし続けました。
そんな困難を乗り越えた末にたどり着く、彼らの最後の会話は、もう、ご褒美級です。 男の子たちの恋のときめきと、真相に迫るスリル。その両方をじっくりと味わいたい方に、ぜひおすすめしたい一作です。

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