19XX年私が愛人にした言い訳
匂いが濃くなった。
別に部屋に移動したあと遺骨の話になった。
なんの話しも聞こえない。ただ私は、ずっと何かで悩んでいるような気がした。
彼女の骨を前にして、私は初めて涙が出た。
悩んでる理由は彼女に対してのいらだちだった。
「働けば、金は手に入る。」
「その金で、欲しいものを手に入れる。」
私は彼女に尽くしたのに
「この女は、私の手に入らなかった。」
私は、こんな言い訳を彼女の遺骨と共に骨壷に閉じ込めた。
愛人が死んだという現実を背負って、日々泣き続けるのが怖かった。次どんな人間と出会おうが彼女を思い出すのが怖かった。
私がこれから経験するどんなことの理由にも彼女がなってしまう。
「19XX年、愛人が死んだ。」
彼女の葬儀を終えた後私は、彼女と別れた。
愛人 青木 然三朗 @misosilu__gohan
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