事後報告
「あーあ…やっちまった…」
オープン前のバーのカウンターで頬杖ついた誠が呟く。
『ねーねーあの後どうだったのよ〜せ・ん・せ・い…とはさ⁇なになにこの首の跡は、もしやキスマ…ってよく見たら歯形⁉︎』
裏から浮き足だって現れたママに気づかれた。
「先生とすか⁇首とかいろんなとこ噛まれました。ほら、唇とか…」
誠は口を指で引っ張って中までママに見せる。確かに自分の歯で噛んでしまった口内炎のようになってる。
『どう言う展開よそれ⁉︎なに⁇あんたから襲ったとか、誘ったんじゃないの⁇』
ママは若干引いてる。
「見事にあっちからですよ。俺の事学生だった時点で好きだったってさ…」
『意外に肉食系なのね〜マジであんたの事食べようとしてない⁇男は狼なのよ〜♪気をつけなさい〜♪』
「なんすかそれ⁇古い歌っすか⁇」
『知らないのあんた⁇ちゃんと古い歌もレパートリーに入れときなさいよ〜いろんな世代のお客さん来るんだからね〜…って、学生の時点で好きってそれアカンくない⁇』
「そう…それな。やってる時も“先生って呼んで”ってさ…その方が燃えるって…」
『うわっキモっ⁉︎…でもわからなくもない…』
「俺もなんか興奮しちゃって…」
誠は思い出しながら笑いだす。
『うえ〜聞きたかったけど、思ってたのと違ってちょっと萎えるんですけど〜…で〜も〜、どうしたの⁇結局付きあったの⁇長年の片想いは実ったわけ⁉︎』
ママは両手を合わせてワクワクした表情で聞いて来た。
「それが…目が覚めたらなんか勝手に帰っちゃっててさ。スマホ見たらよほど恥ずかしかったのか、ただ“ごめん”しか送られてなくてさ…こっちもなんか恥ずかしくなっちゃって既読スルーしちゃったままで…」
流石に誠も恥ずかしいし、勝手にいなくなってるのもショックで、悲しそうな表情である。
『なーにしてんだか〜2人とも〜…ちゃんと話し合いなさいよ‼︎しっかりしな‼︎』
バンっ
「いったっ⁉︎」
ママはおもいっきし誠の背中を叩きまた裏に引っ込んでいった。
先生、あのね… @yoshikichi-445
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