存在の果てに

20XX年、人類は正体不明の「異形」によって半数を失い、国家機能は崩壊。荒廃した世界で、正体不明の「異形」により人類が半減した後、国際的な組織《████》に拾われたオリバー。目的も信念もなく放浪していた彼は、途方に暮れるまま組織の第二宿舎に送り込まれる。
新しい班の班長や先輩隊員たちとの出会いは、理不尽で暴力的なものであった。隊員としての初任務は、D級異形の観測・記録。経験も知識も乏しいオリバーは、暴力や無理解にさらされながらも任務をこなす。世界は終わりへ向かっているという不条理の中、オリバーは「自分の存在の意味」や「希望とは何か」を小さな日常の中で考え始める。
第一章は、不条理な世界に投げ込まれた無力な青年が、生きる意味の断片を見つけるまでの物語である。