現実と妄想の境界が曖昧なまま突き進む一人語りがクセになる作品です。言葉が現実になるという荒唐無稽な設定も、主人公の軽妙な語り口とユーモアでぐいぐい引き込まれました。率直に、文が上手い!甘美な世界での万能感と、その裏に漂う空虚さや孤独もさりげなく描かれていて、笑えるのにどこか切ない印象です。ラストの一言で全てが「ただの寝坊の言い訳」として着地する落差も見事で、物語と現実のギャップにニヤリとさせられました!拍手喝采です。
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