言葉を捨てた少女が見つけるのは、“声”と仲間と未来

嘲笑され、家族にも否定され、それでも言葉を手放せない少女。
夜九時に止まった彼女の時間は、廃部寸前の文芸部で再び動き出す。

父の遺した万年筆、破られた原稿、そして新たな仲間たち。
「書くこと」への痛みと希望をここまで鮮やかに描ける作品は、なかなか出会えないと感じました。

ページをめくるごとに、主人公・華恵の苦しさや迷いが自分の胸に響いてきて、「書く」ことの意味をもう一度問い直したくなる。
青春小説としても文芸小説としても心に刺さる、読後に温かさが残る一作です。

言葉に傷ついた人にこそ読んでほしい。
――『9時に読んで!』、そのタイトル通り、声が確かに届いてきます。

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