概要
時間の渦に、呑みこまれていく
タイムマシンを開発した青年と、それを潰そうとする老人。彼らは時間の狭間で、何を見るのか。
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- ★★★ Excellent!!!タイムマシンが本当にできちゃったらどうしましょう
主人公は「父を憎む」「母を救えなかったことを悔やむ」という強烈に自分の感情だけに従った行動原理で動いています。
ですから、とても冷たく、かつ、客観的に見ればとても自分勝手で、他人を巻き込むだいぶ厄介な存在です。
ただ、その「自分勝手さ」には読者が共感しうる部分が多分に潜んでいます。おそらくこの辺は、読者はそのように感じるであろうとの計算で潜ませたものと思われます。
おそらく、誰かを失った痛みや、どうにもならない現実を前に「もしも過去を変えられるなら」と思う気持ちは、多くの人が心の奥で抱く衝動です。そこに、作者は上手にアプローチしたと思うんです。
つまり彼の自己中心性は、決して「…続きを読む