花の檻

桐島あお

花の檻

夢を見ていたと知るのは目がさめたあとで刑期のように平日


制服は格差を隠す(ほんとうに?)あの子のすこし後ろを歩く


当て布を知っていたなら光らずに済んだプリーツたちの行進


追い抜ける速度で言った「おはよう」に続きがあって肩が並んだ


適切な距離をつくったそれぞれの日傘まぶしい日々に慣れない


ミサンガはグレーゾーンのアクセサリー誰にもらったものかわかるよ


特権のように名前で呼んでただあの子の傘に入る人影


置いてゆく顔で進めば後ろからわたしの抜けた完璧な風


花の檻のびてゆくには必要な剪定だって知っていたけど


夢と知りながら見る夢はじめからわたしのための席じゃなかった



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花の檻 桐島あお @natsunoyuugata

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