夢オチ
「うあっ!」
その叫び声で目を覚ました。僕の部屋の天井が目に飛び込む。
朝だ。今の叫び声は現実だった。
よかった。夢か…教室で漏らす夢なんて最悪だ。
「それにしても変な夢だったな。いろいろ不自然だったのに、なんで夢って気づかなかったんだ?学校の教室の床が大理石なわけないし、音楽教室のトイレのドアが小学校につながってるなんてありえない!洋服がいつの間にか制服に変わってたのもおかしいのに」
いくつもの疑問が頭の中でぐるぐる回った。
しまった…おしっこしちゃった。
さっき体から出ていった生々しい感触が頭をよぎる。とっさに左手で布団を持ち上げ、右手で股間を触る。びしょびしょ。
しかも温かい。
ふぅ。
いやいや、おねしょならまだ許せる。
茉奈ちゃんの前で漏らすより、授業中におもらしするよりマシだ。右手を鼻に近づけてニオイを確認しながらそう思った。
去年、教室でがまんしてる時、神様に「夜のおねしょなら100回でもするから、おもらしだけは勘弁して」って祈ったのを思い出した。
さて、今の状況を考えよう。
背中にじとっと広がる感覚…これはおしっこがまだ布団に吸い込まれきってない証拠だ。
落ち着け僕。おねしょ直後に立ち上がったら、パジャマからびしょびしょがぼたぼた落ちるぞ。それに布団の上に立つと、くぼみにたまったおしっこが流れてきて足が濡れ、カーペットまでやられる。
おねしょして時間がたてばしっとりするけど、今はまだ新鮮なびしょびしょ状態だ。僕は冷静に分析した。
こういう時は布団の中でパジャマとパンツを脱ぎ、さなぎから蝶が羽ばたくように抜け出すんだ!
濡れたものから体を解放すると、朝のさわやかな空気の中、さっきの感触はおねしょじゃなくてひどい寝汗だったような気がしてくる。
そうだ、きっとそうに違いない。ニオイも汗のニオイだった気がする。
ベッドの横で裸で仁王立ちする僕は、今日一日を、さなぎから生まれたばかりの蝶のように元気にがんばろうと決心した。
汗かどうか布団をめくって確かめるのは、学校から帰ってからでいいんだ!
豪華すぎトイレにはご用心 キックミラキス @Cick_Mylaxs
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