美しい吸血鬼の青年と、彼に一目ぼれした少年の一途な愛の物語

吸血鬼と言えば、誰もが知る存在。
けれどひとえに吸血鬼と言っても、解釈も種類も設定も千差万別です。
そのなかで、このお話に登場する吸血鬼たちは、作者さまの豊富な知識と吸血鬼愛に裏打ちされたしっかりとしたバックグラウンドが存在しています。
主人公のアシュレイは、サーカスに囚われていた吸血鬼の青年、ステリアに一目惚れ。
そこから彼と、ステリアの長い道のりが始まります。

少年から青年に、年月を経ても変わらぬ愛する人への想い。
子供の頃から持っている、アシュレイの聡明さと勇敢さが眩しくて、大人になってからはさらに頼もしくなり、どんな状況に陥っても、彼ならきっとうまくやってくれるという不思議な安心感があります。
二人を取り巻く関係者も、一筋縄ではいかない人ばかり。
敵対したと思いきや、いつしか頼もしい仲間になっていたり……
長い年月を経て変化していく(変わらない人もw)人間関係も本作の魅力のひとつだと思います。

私が好きなのは、ちょっとミステリアスなあの人ですが、
最後まで読んでいくとああ、と彼の行動のあれこれに納得してしまいます。

きらきら透き通った純粋で純愛の物語。
ステリアとアシュレイ、二人の永遠に続く不変の愛に、
最後はほっと心が温かい気持ちになることと思います。

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