ぼくの夏休み
海月うに
いい夏でした
一
学校を ばびゅんと飛び出し 一目散
もうすぐぼくは 自由になるんだ
二
ランドセル 部屋のすみっこに 転がして
お前も今日で お役目ごめん
三
ガリガリと ノートに書きつけた 計画書
なんだか大人の 仲間入りみたい
四
月曜日 ドアの開く音 閉まる音
布団の中で くひひと笑う
五
もう八月? 麦茶の氷 からんころん
そろそろやらなきゃ 覚悟を決める
六
久しぶり 朝の6時に 起き上がる
んーっと伸びをし くあっとあくび
七
目をつむり 思い切って 棒を振る
赤い飛沫と 響く笑い声
八
黄昏の 静かな家を ぼーっと見渡す
そういえば今日 何曜日だっけ?
九
ばぁちゃんの ぎゅうってぼくを 抱きしめる
しわしわの腕に なされるがまま
十
「弁明は?」 裁判官の その問いに
僕は笑って 「いい夏でした」と
ぼくの夏休み 海月うに @Umitsuki_Uni
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