不凍港

短歌パンダ

第1話

着ないのに買った緑のカーディガン まっさらの夏など二度とない


なんべんもまよい子を呼ぶ拡声器まぶしい 確か胸のあたりに


サイダーにはじけ損ねた泡がありあなたに帰るなんていえない


勝ったことばかりをくやむやさしさは冷めてしまったカレーのような


ありふれた星は海には映らないならばあなたは何の影なの


潮風ね うつむく白のサンダルに湿気らせていく時限爆弾


かげろうが赤みを増して消えていく 君はかすかな方がきれいだ


砂浜で音楽を聴く 高音のところで髪を切っていいかな


欠けている貝をひかりにかざしてる幾年月も凍らない海


青空に飛行機雲も残らない 鍵をなくした そこまでが夏


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不凍港 短歌パンダ @tankapanda

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