淡々と進んでいく、日常の崩壊──それは、デジタルから始まる

すごく好きです。怖いです。
「なにかがおかしい」が少しずつ積み重なっていく日々……

そもそもコンピュータを発明した人間は「悪魔主義者」とも言われたと聞いたことがあります。

それは、コンピュータが、「人間の脳」を模倣しているから。
それは、神が「人間」を創り給いし「奇跡」に対して、
人間がその「奇跡」を再現しようとする、冒涜だからだそうです。

コンピュータは正直です。
プログラム通りに動き、プログラム通りにバグを出します。
それが誠実でもあり、同時に不気味でもあるところだと感じています。

ですが、「人間の脳」にしても「デジタル」にしても、
あるところまでは、人間でも理解できますが、
「ブラックボックス」が大半を占めているのではないかという不安も生まれます。

この作品は、その「不安」を的確に突いてくる作品。
「デジタル」における「バグ」が「怪異」であるとするなら、
この世で起こる「怪異」のようなものも、何かの「バグ」かもしれません。

きちんと統制されているように見えて起こってしまう「バグ」。
これを「怪異」として、この作品は、見事に、派手すぎず的確に表現していきます。

その淡々としているさまが、さまざまな想像力を沸き立たせてくれ、
読んでいて、少しつづ背筋が寒くなり、
「怖さ」が蓄積されていきます。

ぜひみなさんも、微細な「怖さ」の蓄積を楽しんでみてください。
おすすめ作品です!!!

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