しづかにひろう

ルミナ

しづかにひろう

炎天に火葬許可証ひろげれば文字から意味が溶け出してゆく


その爪がつけた手の傷赤いまま真白い骨をしづかにひろう


たましいはあるのでしょうか燃えるゴミへ捨てた毛すべて取り戻したい


読み切れぬ本を買っては積んでいく痩せた乳房が夜に傾く


詩を書けば何が詩なのかわからずに心は眠ることを選んだ


ブルー・ライトがわたくしの朝になる夢から醒めるときの小さな死


セルフ・ネグレクト全てをやめたいと思うことをやめたいのです


謝らなければならない気がしてる誰かに何かにあるいはわれ


消えかけた味覚もどれば涸れていた涙も戻り食べながら泣く


本当の朝に起きればやわらかに光る骨壷ありて おはよう

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しづかにひろう ルミナ @Narumi_Hatarake

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