第6話
その夜、僕は夢を見た。
縄文時代の夢だった。僕は土器を作っていた。手が土にまみれていた。隣で誰かが火を焚いていた。言葉はなかった。でも、なぜか全てが理解できた。
目が覚めると、朝の四時だった。カーテンの隙間から、薄明かりが漏れていた。
僕は起き上がって、レポートを書き始めた。山崎さんの話を、できるだけ正確に書こうとした。でも、書けば書くほど、何かが抜け落ちていく気がした。言葉は現実を写し取れない。写真が影を捉えられないように。
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