第7話
水曜日の朝、僕はもう一度老人ホームに行った。
「忘れ物でもしたかい」
受付の女性が聞いた。僕は首を振った。
山崎さんの部屋のドアをノックした。返事はなかった。ドアは開いていた。
山崎さんは窓際の椅子に座っていた。眠っているみたいだった。でも、眠っているのではなかった。
看護師が来た。医者が来た。僕は廊下に出された。
窓の外では、蝉が鳴いていた。昨日と同じように鳴いていた。世界は何も変わらないみたいに、そこにあった。
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