エレベーター怪談

@yakiniku1111111

第1話

仕事帰りの話、自宅に帰るためにマンションのエレバーターに乗ろうとしたとき


赤い着物をまとった6人の子供たちが、エレベーターの前で輪になって「かごめかごめ」を歌いながら、不気味に踊っていた

薄暗い廊下に響く甲高い声と、ゆらゆら揺れる小さな影

その異様な光景に、足がすくんでエレベーターに乗るのをためらっていると、後ろからスーツ姿の男性が無造作に近づいてきた


彼は子供たちの存在などまるで見えないかのように、平然とエレベーターに足を踏み入れた

その瞬間、子供たちの歌がピタリと止んだ

心臓の音さえも止まったかのような静寂が広がり、赤い着物の子供たちが一斉に踊りをやめ、滑るような動きで男と共にエレベーターに流れ込んだ

まるで男を囲むように、音一つ立てることなく、異様な速さで


私は息をのんでその光景を見つめていた

エレベーターの扉がゆっくり閉まりかける中、男はこちらを振り返り、怪訝そうな顔で言った

「どうしたんです? 乗らないんですか?」 その声は驚くほどのんびりとしていて、まるで自分の置かれている異様な状況に気づいていないようだった


エレベーターの中の子供たちが、一斉に私の方を振り向き12本の小さな手が揃って私を招くように「おいで、おいで」と誘う仕草を繰り返した


おいでおいでおいでおいで   おいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいで

おいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいでおいで おいでおいでおいでおいで おいでおいでおいでおいでおいでおいで

おいで   おいでおいでおいで   おいでおいでおいでおいでおいで   おいでおいでおいでおいでおいでおいでおいで


小さな手は動画の早送り機能のように高速で揺れ動き、執拗なまでの目線で私をエレベーターの内部へと誘おうとしている

子供達の目は異様に光り、口元には不気味な笑みが浮かんでいた


恐怖が全身を突き抜け、私は一言も発せず、慌ててその場から逃げ出した


翌日、子供たちと一緒にエレベーターに乗り込んだあの男性が、エレベーター内で変死体となって発見された

エレベーターの床に横たわる男の体には、無数の小さな歯型が刻まれていたという。まるで何かに喰らいつかれたかのように


今でも忘れられない、子供たちの目が一斉に私を捉え、赤い着物の裾が揺れる中、冷たく、どこか嘲るような

「おいで、おいで」という仕草を

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