概要
15歳の春。一瞬にして家族を失った少年の成長物語。
鴻野涼介15歳。
あの日は卒業式の翌日だった。
中学でチームメイトだった伊藤公哉と二人で県営球場まで自転車を漕いだ。ペダルをフル回転させても家から1時間はかかる山の中腹。そこで入学が決まっていた高校の試合があった。
あれは確か8回表だったと思う。
天地が轟き、グラウンドがグチャっと歪んだ。そのあとずいぶんと長い時間、外野席の芝生に這いつくばっていた。
そして ……
悪魔の慟哭のような地響きを聴いた。
その瞬間、涼介は家族を失っていた。
被災者遺族を襲うSNSの住人たち。本当に怖いのは数人の悪意ではなく、正義の仮面を被った何千人、何万人の善意だった。小さな世界で発信された誹謗中傷が、突如無限に現れる正義の使者によってあっという間に100万倍に拡散される。誹謗中傷内容が盛大に盛られて、何百回
あの日は卒業式の翌日だった。
中学でチームメイトだった伊藤公哉と二人で県営球場まで自転車を漕いだ。ペダルをフル回転させても家から1時間はかかる山の中腹。そこで入学が決まっていた高校の試合があった。
あれは確か8回表だったと思う。
天地が轟き、グラウンドがグチャっと歪んだ。そのあとずいぶんと長い時間、外野席の芝生に這いつくばっていた。
そして ……
悪魔の慟哭のような地響きを聴いた。
その瞬間、涼介は家族を失っていた。
被災者遺族を襲うSNSの住人たち。本当に怖いのは数人の悪意ではなく、正義の仮面を被った何千人、何万人の善意だった。小さな世界で発信された誹謗中傷が、突如無限に現れる正義の使者によってあっという間に100万倍に拡散される。誹謗中傷内容が盛大に盛られて、何百回
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