「指す」の一言で経験者と分かる、その細やかさが好き

「将棋を指す、ていう言い方してるのは、だいたい経験者」——この一言で、将輝が遥の実力を見抜くシーンが好きです。将棋を知っている人にしか分からない機微が、さりげなく関係性を動かしている。

二人の距離感がとても良いです。

授業中に対局を誘ってくる遥、それに乗れずに先生に怒られる将輝。トモダチ申請を押してしまう遥、名前を呼ぶだけで赤くなる将輝。踏み込めないけど意識し合っている感じが、青春ラブコメとして心地よい。

アプリでの対局から「盤と駒があれば」という流れで将棋部に向かう展開も自然で、29連勝という冒頭に繋がっていくのだと分かります。

棋譜に載らない一手の物語、続きが楽しみです。