遠くて近い存在から感じる生命の柔らかさ

『やわらかいほしに生まれてわたしたちほしにかえっていく途中かな』

この歌を読んで、自分が星に硬いイメージを持っていることがわかった。

ただ平仮名の『やわらかいほし』という字面が可愛らしく、角が丸くなったとてもファンシーなほしたちが浮かんできました。
やわらかいほしに生まれたのだから、『わたしたち』はきっとやわらかい存在だと思います。

柔らかな存在が柔らかいものに向かうことを考えると、死から遠ざかるような印象を受ける。将来的に硬い土に還るのではなく、やわらかな星へかえるための現在みたいな可愛らしさの中に救いみたいなものが感じられた。

また、かえるという言葉の解釈によっていくらか意味合いが変わってくる。

帰るのか、孵るのか、返るのか。などなど
『かえっていく』という字面を見た時に、勝手に当てはめた漢字によって、やわらかいほしというものにその人が持つことになる印象が若干異なるのだと思います。

なぜ、人はこんなにも柔らかいのに、硬いフリをしているのか。帰っていく途中なのだからトゲトゲはやめて柔らかく生きようよ。みたいにも感じられて好きな歌でした。

素晴らしい作品をありがとうございました。