スパークル【短歌賞10首連作部門】

九条ねぎ

スパークル

手を伸ばし光に触れて

閃光が届く一秒先を見つめて



空白と闇と孤独のアンタレス

灼熱のように君は笑った



消えているきっと誰かの記憶から

生きてくことは忘れてくこと



ざりざりとダイヤモンドの槍が降る

いつかアンドロメダの心臓



憧れた無数の星に手を伸ばす

いまこの瞬間ときを永遠と呼ぶ



氷製のリングにふたり腰かけて

プロメテウスの朝を見ていた



透明な君を銀河の最果てに

置き去りにして巡る星の



手のひらに星屑を拾い集めては

失くした夢の欠片探して



探してもここに空気はないけれど

君と宇宙の声を聞かせて



見あげれば瞬く星のスパークル

この輝きも君は知らない

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スパークル【短歌賞10首連作部門】 九条ねぎ @nokochan

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