あとがきを書かせてください
長きにわたり「真夜中の囁き」にお付き合いいただき、心より感謝申し上げます。
この物語は、単なる好奇心から始まった一つの噂が、やがて主人公たちの深い後悔と心の闇を暴き出すホラーとして、全30話をもって完結を迎えました。りお、悠真、そして仲間たちが体験した恐怖は、怨念や幽霊といった超常現象だけでなく、人間関係における「裏切り」や「懺悔」といった、誰もが抱え得る感情が核となっています。彼らが、恐怖の異空間で自らの過去と向き合い、最終的に「許し」の力で呪いを断ち切れたことに、安堵しています。
創作のきっかけ
さて、この「存在しない部屋」の着想は、実は私自身の小学生時代の体験に基づいています。
当時、私の通っていた学校には、「七不思議」の一つとして、「開かずの物置部屋」の噂がありました。普段は誰も使わないその部屋は、「特定の時間にだけ扉が開くが、中に入ると時間が止まり、二度と出てこられない」と言われていました。
もちろん、当時の私はその噂を信じてはいませんでしたが、その「存在しないはずの場所」が持つ不気味な魅力と、「時間が止まる」という設定が、強く心に残っていました。
この記憶を基に、単なる怪談ではなく、その部屋が「後悔」という人間の最も普遍的な感情を糧に存在する空間だったら、という発想で物語を膨らませていきました。恐怖の根源を「心」に置くことで、より読者の方々の心に響く、切実な物語になったのではないかと感じています。
最後に
この物語を通じて、恐怖とともに、りおたちの勇気と成長を感じていただけたなら幸いです。
改めまして、最後までご愛読いただき、本当にありがとうございました。
三上りお、橘悠真、そして放送部のメンバーに、幸あれ。
「真夜中の囁き」 トモさん @tomos456
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