部活とあるので、学生さんかなと思ったら、息子が出てきたりするので、少し混乱するのですが、いろんな主体になるのを楽しみながら詠んでいるのでしょう。面白い試みだと思いました。つまり、さまざまな片想いの場面を多角的に詠んでいるのでしょう。なんとなくキュビズムの絵画を想起しました。それだけでなく、1首1首に作者独自のユーモアが感じられて、ありきたりな片想いの短歌集とは一線を画しています。青春と郷愁の融合した短歌集。推し短歌1首。貰ったフェスのチケット 彼に渡すタイミングが見つからない
この短歌を読んでいると、誰もが経験したであろう青春の記憶が蘇ってくる。「あの子がアイツの彼女かよ」という率直な表現が、どうしようもない嫉妬心を見事に捉えている。ブロックされた元カノへのLINEの一首では、現代的なツールを使いながらも、昔から変わらない別れの痛みを歌っている。どの短歌も飾らない言葉で心の奥の感情を表現していて、読んでいると思わず頷いてしまう。私もまた、言葉にできない想いを胸に抱えた日を思い出した。
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