その団長はとても恐ろしく、とても優しい人なんだとさ――

その団長の特徴はたったの三つ。
木札、笛、そして仮面。
それ以外は名前すらも分からない「仮面の男」と、彼が率いる旅の一座の物語。
必要最低限の情報量だけで、ここまで魅力的なキャラクターを描写出来る人は、なかなかいないのではないでしょうか?
文章もスッキリとしていて読みやすく、なのに場面毎にしっかりと、不思議さや恐ろしさ、不気味さ、そして温かさといった空気感が伝わって来て、ぐんぐん物語に惹き込まれます。
洗練された文章を読みたい方、独特の空気感や世界観を持つ作品が好きな方に、是非おすすめしたい作品です。

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