不安と期待のあいだに立ち尽くす心の記録

とても良い作品でした。

甘さだけでなく、
「失うかもしれない」という恐怖を正面から描いた恋愛は、
読後にしっかりとした余韻を残します。

白い手紙が、
終わりの予兆にも、始まりの証明にもなり得る。
その両義性を、ここまで美しく描けているのは素直にすごいです。

静かで、少し重くて、でも最後はちゃんと温かい。
印象に残る一編でした。